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作成:森岡正博 
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脳死の人

 

森岡正博
脳死の人−生命学の視点から
東京書籍 1989年3月 全237頁
  →福武文庫 1991年6月 全259頁 本体612円
  →法藏館 2000年7月 全271頁 本体2400円
(タイトル:増補決定版・脳死の人−生命学の視点から)


初版(1989年)


文庫版(1991年)


増補決定版(2000年)

「脳死」を「人と人との関わり合い」としてとらえた、生命倫理の古典。現代の生と死の姿を、分かりやすいことばで理解したい人のための、必読書です。

これが事実上の出発作だと思っております。1989年当時は、立花隆の『脳死』が注目を集めていたが、なんか違うような気がして、『生命学への招待』を出してからすぐに書き始め、夏休みから秋にかけて一気に書き上げた。脳死を、人と人との関わり合いとして捉えなおしたもの。新聞などで見られる「脳死の人」という言い方は、この本から定着したみたいです。私が書いた本のなかで、いちばん「いい本」だと思う。現在でも、まだ内容は生きてる。英語HPにこの本の英訳(1章、2章、5章、7章)を載せたこともあって、いまや海外からの反響も出始めている。近々英語kinokopress.comでPDF公開つもりです。こういう本は、もう二度とかけないと思う。単行本は5000部。文庫のほうは2刷で、累計1万6000部くらい。2000年7月に法藏館より増補されて復刊しました。HPにもある循環器病センターでの講演と、「子どもからの臓器移植」論文を追加。さらにパワーアップ。初版2500部。総計2万3500部。2006年より無料全文公開を開始しました(↓)。

English translation
  英訳はこちら


 仏訳はこちら

日本版出版社:法藏館 Tel.075-343-0458 Fax.075-371-0458
HP:
http://www.hozokan.co.jp/
メール:info@hozokan.co.jp


全文を無料で閲覧できます

はしがき

1章 脳死とは人と人との関わり方である

    医師の目からは見えないもの/家族にとっての脳死とは/脳の働きの止まった「人」/「脳死の人」の状態/「生きている」人だけが「人」なのか/脳死の人をめぐる人と人との関わり方
2章 集中治療室とはどのような場所か
    ICUの集中管理と面会制限/部分治療の統合化/監視システムと治療の効率化/脳死の人がベッドを占有するときの問題/脳死の人の医療費と保険/脳死の人の治療や看護はどうあればよいか/人と人との場の看護が中心となる医療/脳死の人の看取りのために/ICUの外へベッドを移す/救命医療から看護中心の医療へ/看取りの医療の実践
3章 臓器移植の光と影
    臓器移植における人と人との関わり方/ドナーの家族からみた臓器移植/レシピエントにとっての臓器移植/人間関係を隔てる匿名性のベール/臓器移植における心理的ストレス/根深い医師・病院への不信感/インフォームド・コンセントの精神・患者の権利の保障/信頼される病院作りを
4章 脳死身体の各種利用とは何か
    脳死身体の「利用」の現実性/技術的な可能性/現行法のもとでの可能性/「利用」を考察する際のチェック・ポイント/脳死身体の各種利用の社会性/「利用」が許されるケースとは/将来の予想/先端科学技術の社会的受容について/「利用」の倫理的意味/現代文明、現代社会についての反省
5章 私の死と他者の死
    「人」の死は医学的、法的側面だけに限られない/「私」と「親しい他者」と「見知らぬ他者」の死/当事者にとっての死の意味
6章 現代医療の部分主義について
    現代医療の部分主義とは/部分主義では見えないもの/「専門家」の知識は「部分の知識」/おまかせ患者とは/「この世を超えるもの」を前にしての関わり方/医師−「看護者」−患者の関係
7章 効率性とかけがえのなさ
    「修理の医療」/効率性の追求とは/商品流通社会の思想/かけがえのなさを大事にするということ/効率性とかけがえのなさは二律背反/「傍観者」の論理と「当事者」の論理
対談 脳死と臓器移植の本当の問題 杉本健郎・森岡正博
    「脳死」に直面した家族の気持ち/脳死問題から医療全体の問題点が見える/脳死判定の現場では/死の受容と別れの期間/ドナーとレシピエントの家族の関係/いのちを金で買うようないまの社会/医師にものを言えない現代医療の体質/情報の公開と平等な関係を/「いのち」の問題を考えるきっかけとして

おわりに文献一覧増補「臓器のリサイクルと障害者問題」「「聖域」の落とし穴」「移植医療を考える」、文庫のためのあとがき

解説 木村競

決定版の増補  移植前夜、循環器病センターでの講演
          子どもにもドナーカードによるイエス、ノーの意思表示の道を
          

決定版のあとがき

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