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作成:森岡正博 
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シンポジウム案内
 
 

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日本組織培養学会シンポジウム2
再生医療を支えるもの―考え方と現実と私たち研究者にできること―
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日 時:2002年5月17日(金)14:30-17:00

会 場:北里大学白金校舎薬学部本館
    港区白金台5-9-1
    http://www.pharm.kitasato-u.ac.jp/map&access.html

交 通:渋谷・恵比寿・田町駅からバス、広尾・白金高輪駅から徒歩10分
    詳細は上記URL参照

座 長:秦宏樹(大会会長,東京逓信病院 産婦人科)
    増井徹(国立医薬品食品衛生研究所、細胞バンク)

参加費:一般5000円、学生2000円
    (組織培養学会参加費、5/16-5/17の二日間有効)

■プログラム(タイトルは「発言主旨」で演題ではありません)

1,日本における「人」の出生までの法的状況について
   石井美智子(東京都立大学・法学部)

2,妊娠中絶を含むヒト組織が提供される状況を踏まえて,倫理的枠組みと
  問題意識を共有する視点から
   齋藤有紀子(北里大学・医学部・医学原論研究部門)

3,実施の現状と研究者の立場からの倫理的問題点について
   金村米博(独立行政法人産業総合研究所ティッシュエンジニアリング
        研究センター)

4,日本産科婦人科学会の倫理委員会における検討の状況について
   矢野哲(東京大学・大学院医学系研究科・産婦人科学講座)

5,指定発言
  諸外国と日本の現状比較について
   ぬで島次郎(三菱化学生命科学研究所)

6,全体討議

講  演(20分)
指定発言(10分)
全体討議(40分)

【開催主旨】
 再生医療という領域が期待をもって語られるようになり,数年が経過して
います.昨年9月にES細胞指針が,そして12月には特定胚指針が公表され
て,今後の再生医療における考え方がまとまりつつあります.また,今年始
めから厚生労働省はヒト幹細胞研究指針の検討を始めています.
 再生医療においては,培養技術が大きな柱となります.その点では,本学
会の会員の皆様もこの分野での研究に対応していく必要性が生じていると考
えております.そして,この分野は科学的に発展途上の分野であるというだ
けでなく,ヒト胚,胎児を研究対象とすることはタブー視されてきたという
歴史があります.現状では倫理的,法的,社会的な議論が充分になされる環
境が整っていないと考えております.本シンポジウムでは,特にヒト胎児組
織を対象とした研究領域について科学的,法的,倫理的,社会的側面から論
じることによって,学会員の皆様,また,その活動の場である一般社会での
議論を活性化する一助になればと考えています.
 再生医療においては「ヒトの細胞をヒトに戻す」ために,実験動物での培
養データーと異なる可能性が考えられ,ヒト細胞の培養条件を検討すること
が必要となり,ヒトの組織・細胞を研究資源として利用することが必須とな
ります.また,このような「ヒトはヒトで」という研究志向は,ヒトゲノム
プロジェクトの進展を背景として,ヒトを解析するツールの整備が進んだこ
ととも深く関わっています.そして,具体的研究対象が幹細胞であり,その
ためにヒト胚及びヒト死胎が研究の材料として重要な位置を占めるという状
況が形成されました.
 研究対象として興味深いES細胞は,実用面で安全性・安定性の問題を抱え
ています.そこで,限定的分化能をもつ組織幹細胞を研究することが重要な
課題であると考えられます.限定された分化能が安全性と安定性を確保する
面では有利であると予想されているからです.発生学的に考えると体の基礎
構造ができ,それぞれの組織が分化を始めた時期の胎児組織を培養すること
によって,分化能のコントロールが容易で増殖能に優れた組織幹細胞をえる
ことができると考えられています.
 胎児という存在がどのようなものであるのか,日本の法律体系の中でも複
雑で未解決な問題を含むといわれています.また,自然流産の胎児は生物学
的異常をもつ可能性が高く,人工妊娠中絶という状況の中で摘出された組織
が重要と考えられるわけですが.人工妊娠中絶という状況は生殖・出産の現
場の中で,状況の複雑な当事者・周囲の者にとっても感情的傷害の大きな領
域です.そして,妊娠出産の出来る女性の間でさえ「経験した者でなければ
理解できない」という言葉で,問題の共有が拒否されてきたという面をもつ
領域でもあります.
 再生医療の様々な研究領域において,有力な組織幹細胞研究の対象となる
胎児由来組織がこのような状況で摘出されるものである以上,私達研究者が
提供の現場との関係をどのように受け止めていけるものなのかを真剣に模索
する必要性も生じてきました.そして,「共有という姿勢」が,人を取り巻
く問題にとって重要と考えられている今,私達がどのように関わっていける
問題であるのかを論ずることは避けることが出来ないのです.
このような国内状況と,否応無くさらされる国際的競争のなかで,日本で研
究を推進するために,国際的に見て,日本の状況はどのようなものであるの
か.そして,潜在的に人の尊厳という課題を負いつつ,この分野の研究が社
会で議論されて,かつ社会の理解の下に進められるためには何が必要であ
り,私達には何が出来るのかを考え始めることが必要であると思っておりま
す.

日本組織培養学会,倫理問題検討委員会,
■協力委員:
宇都木伸(東海大学法学部),梅田誠(横浜市中央図書館),小松俊彦
(NPO法人、バイオメディカルサイエンス研究会(BMSA)),
■委員:浅香勲(旭テクノグラス株式会社,サイテック事業部ライフサイエ
ンスセンター),絵野沢伸(国立成育医療センター研究所,移植・外科研究
部),神崎俊彦((財)ヒューマンサイエンス振興財団),佐々木澄志
((財)食品薬品安全センター秦野研究所),佐藤敬喜(第一製薬、開発企
画部),蓮村哲(医療法人社団修世会木場病院),秦宏樹(東京逓信病院 
産婦人科),平井玲子(東京都臨床医学総合研究所腫瘍細胞研究部門),松
村外志張(ローマン工業)
■学会外委員:小林英司(自治医科大学,分子病態治療研究センター,臓器
置換研究部),鈴木聡(HAB協議会,霊長類機能研究所),佐藤雄一郎(横
浜市立大学,法医学教室),宗村庚修(株式会社KAC)
■委員長:増井徹(国立医薬品食品衛生研究所、細胞バンク)

■シンポジウムに関する問い合わせ先
増井徹(国立医薬品食品衛生研究所、細胞バンク)
masui@nihs.go.jp

 


 

            第33回「科学技術社会論研究会」

            ワークショップ 「健康の科学をめぐる知」

              2003年6月21日(土) 9:45-17:30
        東京大学先端科学技術研究センター13号館 109号室


    1.ワークショップの目的

    「健康」とは「ブーム」などではない。今年5月より施行された健康増進法が
   規定しているように、それにはもはや明確な「国民の責務」として法的スキ
   ームが与えられている。科学的に正しいヘルスリテラシーが「国民」たちに
   求められ、それは、世界市場での現代的常套句「ひとりひとりが自己責任
   を負う」ことの典型例ともなっている。なぜこれほどまでに「国民」は健康に
   責任を負い、それを目的とせねばならないのか。その理由はけっして「今
   現在の不健康」などではない。健康というキーワードは、ビジネスと利益と
   コスト意識を生む。背後には明確な経済原理が働いており、ナショナリズム
   や国家・政治原理ともからみながらの議論が要請されることは、他の科学
   技術と同様である。もちろんこれらのことは、私たちの身体観にも重大な
   変更を迫るものであり、したがって知覚や認知に関するより根源的問いか
   けを内包してもいる。

   また、「健康の科学」というテーマは、広く近代とポスト近代とにまたがって
   もいる。つまり一方で、このテーマには、近代の経済原理だけでは捉えら
   れない、食文化や生活習慣のグローバル化、リスク社会の新展開といった
   この時代の要請がある。しかし、「健康の責務」を負い、機能性飲料を購入
   し肥満に怯える民を、飢えや渇きや栄養失調、爆撃にさらされる民の存在
   が支えていることも、もう片方の重要な事実である。

   すでに「健康」は、自然科学か人文・社会科学かを問わず、多角的に論じ
   られてきている。その価値を疑わない議論もあれば、これを言説としてその
   構築性に着目した議論、また健康概念の歴史的展開についての議論など
   様々である。当然のことながら、そこでは論ずる者の立場が鋭く問われる。
   しかしここでも、それぞれの立場を捨てることなくそれらを交錯させながら、
   しかし広い視点からの議論が必要である。

   今、広く科学技術論の文脈で「健康」を議論することの利点は、他の科学
   技術と比べることで、健康の科学が持つ次のような特徴が浮かび上がって
   くることにある。つまり、@誰にとっても日常である生活習慣そのものを対象
   とすると同時に、それを啓蒙する意図を明確にもつ科学であること。A従っ
   て、それに対する人びとの関心が高いこと。Bそのため、マスメディアから
   の情報も膨大であること。C生産活動よりも、特に人びとの消費行動と連動
   していること。D市場経済と密接に結びついていること。E「すべての国民」
   すなわち万人に関連する科学である、とすでに位置づけられていること。

   すわなち、健康の科学においては、専門家の科学観と非専門家の科学観と
   が密接にリンクし、しかもそのリンクを自己管理へと連動させて、「ヘルスリ
   テラシー」の名の下に非専門家を啓蒙しようという動きが顕著なのだ。した
   がって、このワークショップは先の第30回ワークショップ「専門家/非専門家
   図式の再検討」と連携している。「ガン抑制遺伝子とガン遺伝子とで説明され
   る遺伝病」、魚のコゲを食べるとガンになる、そして「魚に多く含まれるドコサ
   ヘキサエン酸とエイコサペンタエン酸が、ガンの増殖を抑制する」……この
   ような知の共有と混在と頻発を検討することで、硬直した専門家/非専門家
   図式(論)の突破口を見出せないだろうか?



    2. ワークショップの時間割

     9:45-10:00  ワークショップ趣旨説明

    10:00-11:15   話題提供1 (討議25分を含む・以下同)

         柄本三代子(法政大学・社会学)
                     「身体の標準化と機能性食品」

  日本社会における健康への関心の高さは購買力が支えている。そして、飢えを
  知らない購買力ある消費者たちは、様々な統計資料が用いられることによって
  「国民」として構築されると同時に、その身体までも「われわれ」にとって共通
  に
  理解されうるものとして構築されている。また、そもそも国民に対する健康増進
  という啓蒙活動の背後にあったのは医療コストの問題であった。
  このような「購買力」と「医療コスト」だけでなく、今日の健康への関心を継続
  さ
  せることには「企業戦略」も深く関わっている。また、企業戦略と健康増進活動
  とマスメディアの結びつきを強力なものにしているのは、栄養成分をはじめとし
  た科学言説にほかならない。そしてそこには共通に使用されているロジックが
  ある。それは、ある食品に含まれるある成分があるリスクを解消する、というも
  のだ。
  したがって健康への動機づけの際に、「医食同源」や「養生」をもちだすという
  言説戦略もある。しかし、現代における「医薬品と食品の境界溶解現象」や
  「健康増進」とは、歴史的に接続しつつも切断されたものとして理解する必要が
  ある。
  「われわれ」のものとして標準化された身体のメンテナンスは、「アミノ酸が脂
  肪
  を燃焼させる」といったように主体化された成分に外部委託されていく。「強く
  賢
  い子に育てる 食と健康大事典」(学研、2003年)によれば、「キレない子にする
  献立」で「子どもがキレる」ことを防いでくれるのも、誰であろうカルシウムな
  の
  である。
  どのようなものをどのようにして食べるかということは、現代の道徳であり倫理
  であると同時に身体メンテナンスの外部依存とも深く関わる。


    11:15-12:30   話題提供2

         佐藤純一(高知医科大学・医療思想史・医療社会学)
                     「健康の脱健康化 − 管理され治療される<健康>」

 「国民は、健康な生活の重要性に対する関心と理解を深め、生涯にわたっ
 て、自らの健康状態を自覚するとともに、健康の増進に努めなければなら
 ない。」(健康増進法第2条)
 この法律では「健康とは何か、どのような状態か」という定義(明示的記
 述)は行われていない。この法律に限らず、近年、(近代医学以外の)多く
 の領域で論じられている「健康の語り」においても、健康の定義に関して
 は、 多くの場合、あのWHOの健康概念か、または、残余カテゴリーの「病
 気のない状態」という定義が使われるか、または、定義なしで「わかって
 いるもの(自明の実在)」として語りが構成されていると言える。
 それら(近代医学以外の)「健康の語り」の多くは、健康を、「医学に
 よって定義・測定できる実在物」として措定して、初めて理論が成立する
 構造にな っていると言えよう。
 では、近代医学理論では、「健康」(概念)をどう定義しているか。多く
 の「健康の語り」が期待する「近代医学理論による確固たる健康概念」は、
 存在してないのである。
 この話題提供においては、近代医学の「健康」概念(の不在)と「健康の
 語り」を検討する作業を紹介し、その作業を通して、最近の「管理され、
 治療され、増進されなければならない<健康>」概念(言説)について議論
 してみたい。

               昼食

    13:30-14:45   話題提供3

        田中聡(作家)
                         「近代医学と民間医療」

   日本で近代医学が「正統」として制度化されていったとき、漢方医学や各種
   民間療法はどのような論理で排除されていったか。そこから、今なおつづく
   啓蒙家による「迷信退治」の論理を整理してみたい。
   また一方で、大正・昭和に普及した健康法や民間療法、また漢方復興運動
   では、どのような論理で、近代医療への批判が語られたか。そこから、今日
   のいわゆるオルタナティブ医療の動機や技法が、どのような歴史のなかで
   育まれてきたかを整理してみたい。
   そうして近代医学と民間医療との相互の批判内容を、とくに両者の身体観の
   相違を中心として検討することを通じて、今日の高度に医療化した社会のな
   かでの身体についての再考につなげたい。
   民間療法・健康法としては、皇漢医学の復興を唱えた中山忠直、西医学を
   創始した西勝蔵、整体法を創始した野口晴哉を、中心にとりあげたい。


               休憩

    15:00-15:30  レスポンス1 金森修 (東京大学・科学技術思想)

    15:30-16:00  レスポンス2 鈴木晃仁(慶応義塾大学・医学史)

                            休憩

    16:15-17:30   総合討議  司会  浮ヶ谷幸代(お茶の水女子大学
                                 ジェンダー研究センター・医療人類学)

    17:30-18:30  懇親会

    ___________________________________________________________________________________________________

    科学技術社会論研究会・事務局
    国士舘大学・木原英逸  kihara@pem.kokushikan.ac.jp
 



             第37回「科学技術社会論研究会」
  
                       ワークショップ「生命倫理の政治学」
             2003年12月13日(土) 9:45-17:30
          東京大学先端科学技術研究センター13号館 109号室


1.ワークショップの目的
脳死・臓器移植、生殖技術、クローン技術…、日本において先端医療技術の導入は、
そのつど論争が戦わされながらも、かみ合った論争とはなりえず結局は是認される、
という歴史を繰り返してきた。そして、今後も繰り返してゆく蓋然性が高いだろう。
それはなぜか。また、かかる論争過程において、生命倫理学はいかなる立場からど
のような役割を果たしてきたのか。さらには、政府・省庁、当該研究者、医者・患
者、男性・女性、マスコミ・ミニコミ、各種市民団体、アカデミズム…、これら個
々の存在とその連鎖的な関係は論争・導入状況に対していかに機能してきたのか。
こうした分析はきわめて重要な課題であるように思われるにもかかわらず、これま
で主題的に顧みられることはほとんどなかった。
そこで、本ワークショップでは、このダイナミックな問題系の分析に挑んでみたい
と思う。具体的には、『操作される生命』を著してこの種の分析の先陣を切った林
真理が脳死・臓器移植を、理論と実践の両面から特に生殖技術の問題に関わってき
た玉井真理子が出生前診断を、政府・省庁のいくつかの生命倫理委員会を皆勤で睥
睨してきたと言われる粥川準二がクローン技術を、それぞれ担当し、その上でアカ
デミズムの側から市野川容孝が、また在野の側から福本英子が、3人の批判的検討
をさらにメタ批判する。司会進行役は小松美彦が務める。
以上のような作業を通じて、先端医療をめぐる論争や政治的駆け引きなどを歴史的
に総括し、新たな生命倫理(学)の可能性と議論の地平を模索したい。蛇足ながら
本ワークショップで論議の主要対象となるのは、各先端医療とその導入の是非では
なく、導入に帰着しがちな論争の歴史構造である。


2. ワークショップの時間割

9:45-10:00  ワークショップ主旨説明  小松美彦(東京海洋大学)
10:00-11:15   話題提供1 (討議25分を含む・以下同)
    林真理(工学院大学)
      「生命倫理の歴史学に向けて−日本における脳死移植問題を例に」

ある技術が、ある社会において成立するかどうか、あるいはどのような形で成立する
かは、その社会の様々な条件要素に依存していると考えられる。そういった条件とは、
技術を開発、維持、改善していく体制だけでなく、技術に対する人々の期待や希望、
技術の使用を正当化する手続きといったものも含まれる。そしてさらに、近年重要性
を増してきているのは、技術とその使用に関する倫理的(といわれる)解釈である。
本報告では、日本において脳死移植が(限定的にではあるが)受け入れられていった
過程を追い、(受容の是非について考える以前に)どのような形で受容がなされてい
るのかということを考察したい。とりわけ、生命倫理学的と言われる言説がどのよう
な機能を果たしたか、あるいは果たしうるのかということを考えたい。また倫理的言
説や、倫理的言説を担う人材および組織がどのようにして誕生し、また技術の展開の
中に巻き込まれるようになっていったかという問題関心を提起したい。
生命倫理の世界では、今でもヒト胚研究、治療クローンなど新たな課題が次々に投げ
かけられており、そういった新しい問題に対応する作業は非常に重要である。しかし
過去を振り返ることにも意味があると考える。本報告は、1980年代以降における脳死
移植技術と生命倫理の歴史を反省的に捉えることを通じて、生命倫理の歴史学を提案
する。

11:15-12:30   話題提供2 
    玉井真理子(信州大学)
      「出生前診断の歴史的現状と課題」
 
生殖技術と社会との関係を、単純化しすぎるという批判を覚悟であえて図式的に表せば、
「産まないための生殖技術」として「中絶」が問題になった1970年代、「産むための生
殖技術」として「不妊治療」が問題になった1980年代、そして、「選んで産む/産まな
いための生殖技術」として「出生前診断」が問題になった1990年代、というふうに、時
代を描くことができるかもしれない。遺伝医療の現場で、出生前診断を希望する(ある
いは迷っている)女性たちとの付き合いを通して考えたことを、具体的なかたちで提示
したい。参加者は、次に示すURLの拙稿を必ず読んで来て欲しい。
http://square.umin.ac.jp/~mtamai/gene_info.htm
http://square.umin.ac.jp/~mtamai/PND030201.htm


12:30-13:30    昼食


13:30-14:45  話題提供3 
    粥川準二(フリーランスライター)
      「クローン技術の科学と政治」

クローン技術というと、マスメディアや人文社会系アカデミズムでは、「クローン人間」
に注意が集まりがちである。しかし、クローン人間の問題は、クローン技術がはらむ問
題の一部にしか過ぎない。したがってクローン技術をめぐる議論は残念ながら未熟とい
わざるをえない。本発表では、クローン技術をめぐる政策決定過程を批判的に省みると
同時に、クローン技術研究の現状を冷静に見直すことにより、先端医療の現代史を総括
するための材料を提供する。まずクローン技術の概略、とりわけ再生医療との関係を説
明する。次に政府(文部科学省、内閣府)の審議会における議論の経過と、その結果で
ある規制の内容(法律、指針)を説明する。ここで方向を変え、クローン技術研究の現
状、とくにセラピューティク・クローニングのそれを一次資料をもとに冷静に見直す。
最後に、科学、政治、マスメディアに対する、発表者なりの問題提起を試みる。なお前
もって、拙著『クローン人間』(光文社新書)をお読みいただけると、発表者としては
幸いである。

14:45-15:00    休憩

15:00-15:30   レスポンス1 福本英子(ライター)
15:30-16:00  レスポンス2 市野川容孝(東京大学)

16:00-16:15     休憩

16:15-17:30   総合討議 
    司会 小松美彦(東京海洋大学)


17:30-18:30    懇親会  

なお、会場へのアクセスは以下のようになっております。
  ・小田急線/千代田線 「東北沢」駅より徒歩7分・「代々木上原」駅より徒歩12分
     *「東北沢」は小田急線各駅停車のみ止まります。
    ・井の頭線 「駒場東大前」駅、または「池の上」駅より徒歩10分
     *両駅とも急行は止まりません。
    ・駅からの地図など詳しくは次をご覧ください。
     http://www.rcast.u-tokyo.ac.jp/map/map-j.html
_________________________________________________________________________________________________________
科学技術社会論研究会・事務局  
国士舘大学・木原英逸  
東京大学・中村征樹(参加受付) nakamura.masaki@nifty.ne.jp
以上。




第1回「脳神経科学と倫理」ワークショップ
The First Workshop on "Brain-Science & Ethics"

《脳神経科学は新たな生命倫理を必要とするか?》

2005年2月28日(月)  12:30開場、13:00開演
場所:学士会館本館
http://www.gakushikai.or.jp/facilities/

●全体展望 13:00-13:20
小泉英明(日立基礎研/JST)

●基調講演 13:20-14:30
泰羅雅登(日本大学):脳研究の現場から−動物実験の倫理と人研究の倫理−
斎藤有紀子(北里大学):演題未定

●パネルディスカッション《脳神経科学と倫理と社会》 14:45-17:00
パネリスト:青野由利(毎日新聞)、安藤寿康(慶應大学)、香川千晶(山梨大学)、ほか

司会:佐倉統(東京大学)

●主催:JST脳科学と社会研究センター倫理部門

<申込不要・参加無料>