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作成:森岡正博 
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シンポジウム   

公開フォーラム  
戸籍の性別訂正  地方自治体や当事者ができること
    小金井市議会における「性同一性障害者の性別記載訂正を求める意見書」議決経過報告会

去る9月30日、小金井市議会で「性同一性障害者の性別記載について性別の書き換えのできるみちを開くこと」いう意見書が議決されました。※この画期的な議決は、驚きを持って迎えられ、多くの性同一性障害の当事者に勇気と感動、そして希望を与えてくれたのです。この度、この議決を行った小金井市議会から議員お二人をお招きして、フォーラムを開催できる運びとなりました。戸籍の性別訂正(変更)を実現するために、また、性同一性障害当事者の生活環境が向上するように、地方自治体ができることは何なのか。そして何より一市民が、当事者自身ができることは何なのか、より身近な問題として考えてみたいと思います。
※ 正確には「ストーカー対策及び本人による訂正請求権等に関し戸籍法の早期改正求める意見書」の項目4


  <要項>


・日時     11月10日(日) 18:20−20:30  (開場 18:00)
・場所     小金井市 市民会館 (萌え木ホール)
               小金井市前原町3-33-25  小金井市商工会館3F
               Tel.042-385-5116 (場所の問合せのみ可)
               JR中央線 武蔵小金井駅下車 徒歩5分
                   ※イス席は100名程度です。お早めにどうぞ。
・参加費   1,500円

・出演者   小金井市議会議員 公明党  鈴木ひろ子さん
               小金井市議会議員 無所属  若竹りょう子さん
               神戸学院大学 法学部教授  大島俊之さん
               作家、FTM日本 主宰       虎井まさ衛

・内容

   Part1   
・来賓挨拶
                       ・鈴木・若竹両市議からの経過報告
                       ・アトラクション
        Part2  
・鈴木市議、若竹市議、大島さん、虎井によるパネルディスカッション
                       ・質疑応答


・主催     FTM日本 虎井まさ衛、TwinkleStar(事務局)山本 蘭
・後援     小金井市教育委員会、TSとTGを支える人々の会(TNJ)、T's Kitchen
・URL      http://http://www5e.biglobe.ne.jp/~gid/
・連絡先   〒123-0845 東京都足立区足立西郵便局留 FTM日本
              e-mail. ftmjapan@mve.biglobe.ne.jp
                           事務局(TwinkleStar)
                e-mail. gid@with.memail.jp
                Tel. 03-5715-2304   Fax.03-5715-2302
                (平日 10:00−19:00  講演に関すること以外のお問い合わせはご遠慮ください)


  ◆ 市議への質問や要望、戸籍の性別訂正など性同一性障害に関わるご意見等を事前に承ります。
    上記連絡先までメール、FAXまたは郵便でお送りください。当日会場で紹介いたします。
  ◆ 本フォーラムは一般公開です。マスコミ関係者が多数来場するため、一般市民の方、性同一性障害
     当事者の方は、各自でプライバシー保護にご注意ください。TV局の取材も予定されています。
  <マスコミの方へ>
  ◆ 会場で、マスコミ関係者受付を行ってください。
  ◆ 撮影は壇上のみに限定してくださるようお願いいたします。
  ◆ 参加者に対する取材は、原則お断りいたします。
  ◆ それ以外の取材につきましては、事前にお問い合わせください。
  <懇親会のご案内>
◆ フォーラム終了後、懇親会が予定されています。せひご参加ください。
       日時    11月10日(日) 21:00−23:00
                     (フォーラムの終了時刻により多少前後します)
       場所    華酒歌舎
                     小金井市本町1-8-4  2F  味市隣
                     Tel.042-386-8456  (場所の問合せのみ可)
                     商工会館より徒歩5分
        参加費  2,500円

出演者のご紹介


  鈴木ひろ子さん
       小金井市議会議員 公明党  総務企画委員会委員長
 略歴           東京都出身
                 昭和56年小金井市議会議員初当選、以来6期
                 副議長,監査委員歴任
                 公明党女性局次長、東京都本部女性局長
  メインテーマ   男女平等社会の実現のために、 積極的な活動や取り組みをし、多くの実績がある。
                 又、最近は少子化対策に取り組み、子育て支援のための施策の提言に力を入れている。
  URLhttp://homepage2.nifty.com/suzuki_hiroko/frameset20010510.files/menu.html
  コメント         <自由、それは人間の生きる権利>
  性同一性障害って何?って聞く人はほとんどいなくなった。
  時代は確実に変わってきている。1998年に埼玉医大で我が国で初の性別適合手術が行われてから4年、この4年間での人々の性同一性障害に対する認識や理解は急速に進んだと思う。でも、性同一性障害を抱える人々の不自由さに変化があっただろうか、先日、19歳のKさんという青年と一緒に母親が私たちのプロジェクトにみえた。是非、性同一性障害を抱える人の苦労や悩みを聞いて欲しいとのお話であった。Kさんは仕事に就く大変さや、選挙に行けない不満、そして外ではトイレにさえ行けない不便さ等々、日常的な不自由さについて語った。もっとも、深刻な話だったのは性同一性障害を抱える人々がかかる医療機関が限られている事であった。日本では埼玉医大と岡山大学医学部で性別適合手術が可能だが、現在700人※が手術などを待っているという。彼もカウンセリングを受けているが、予約をしても4,5時間待ちは当たり前の状況なのだそうだ。その後、Kさんは乳房切除の手術をしたと聞いた。医療費は60万円で一切保険がきかないので、入院費用がかさまないように最低の2日間で退院するという。胸が痛む話であった。本人が望む性で不自由なく生きられる社会環境を整えるために、国も本気で取り組む時が来ていると感じた。
※ 編集注  700名は、埼玉医科大500名、岡山大学200名の初診受付人数。正確な性同一性障害当時者の人数や手術待ちの人数は、把握されていない。

 若竹りょう子さん
       小金井市議会議員 無所属  総務企画委員会副委員長
  略歴           小金井市出身
                 1993年、25歳で小金井市議会議員に全国最年少当選、以来3期
                 議員任期中に出産を経験。子育てと議員活動は両立することを示し、女性の政治参画
                 前進への事例を残す。
  力を入れて     野川の環境問題、男女共同参画、ジェンダーフリー政策、外国籍市民への行政サービス向上、
    いる分野     子育て支援、情報公開、市民参画、三宅島噴火災害対策ボランティア活動など。
  URL            http://www.wakuwaku.org
  メール         ryoko@wakuwaku.org
  コメント         <社会全体の協力で!>
女(男)の形で生を受け、女(男)として生きている人だけで世の中が出来ている、と思い込まされて成長してきた自分がいる。しかしこの数年、様々なメディアや友人との出会いなどから、その思い込みがいかに不見識なものだったかを痛感している。幸いにも政治の場に仕事場を与えていただいている私たち地方議員が中央政府に対してできることとして、地方自治法第99条に基づく「意見書提出」というアクションがある。戸籍の問題は、ストーキング被害であっても婚姻暦がきれいに抹消できないことや性別変更ができないことなど、何年か前から私の中で気になっていた。いつか意見書にまとめてみたいと思っていたが、今年になって、GID(性同一性障害)当事者の方々が戸籍変更の申立てをされたことや、性適合手術をされた競艇選手、安藤大将さんのことを伝えるニュースが、私に「戸籍の問題を意見書にしてみよう」と思い立つきっかけを与えてくれた。試行錯誤しながら意見書案を書き上げ、文案を全会派に配りながら、特に4項目目の「性同一性障害者については性別の書き換えができる道をひらくこと」の一文が、他の会派との文案調整後まで生き残ってくれることを祈った。そして2002年9月30日、11万市民の付託を受けた小金井市議会本会議場で、議員全員一人一人が名誉にかけて、性同一性障害者の戸籍上性別書き換えを求める内容の意見書に賛成をしたのである。性同一性障害が「人生の障害」でなくなる日をめざし、今後多くの地方議会からも声が上がっていくことを期待してやまない。我が家に育つ2人の子どもたちについても、性自認が外見と異なる可能性はある。 大切な友人がある日GIDであると打ち明けてくれることがあるかも知れない。そうだったとしても最愛の子どもや大切な友人であり続けることに変わりはない。多様な性を認められる社会は誰もが「生きやすい」社会だ。だから、当事者だけの問題ではない。社会を形づくるすべての人が、当事者の「生きにくさ」の解消のために協力して取り組んでいかなければならないテーマだ。

  大島俊之さん
       神戸学院大学 法学部教授
       日本私法学会理事  日本信託法学会理事
  略歴           徳島県出身
                 大阪大学法学部卒
                 大阪府立大学講師・助教授を経て現職
                 1999年度カナダ首相出版賞受賞
 活動           約20年前から、性同一性障害をめぐる法的な諸問題に関する論文を発表。
                 最近は、新聞やテレビなどでも、当事者の戸籍上の性別表記の訂正を認めるべき旨を
                 訴えている。
  主な著書       性同一性障害と法(日本評論社 2002年)
                 性同一性障害と法律(晃洋書房 2001年 石原 明 共同編著)
  コメント         <勇気に感謝>
全会一致で今回の議決をされた小金井市議会議員の皆様の勇気を心から賞賛したい。裁判所は、性同一性障害の当事者の戸籍上の性別表記の訂正を許可しない理由として、国民的コンセンサスがないという理由を挙げてきた。しかし、今回の決議によって、裁判所のそのような理由付けが通用しなくなってきていることが明らかとなった。 小金井市から始まったこの動きが日本全国の地方自治体に波及してほしいものである。

虎井まさ衛
       主催者/作家/FTM日本 主宰
  略歴           東京都出身
                 法政大学文学部卒
                 幼児期より性同一性障害に悩み、大学卒業後渡米して女性から男性への性別適合手術
                 を受ける。
  活動           ミニコミ誌FTM日本を発刊し、当事者のサポート活動を行うかたわら、著述・講演
                 などを通じて性同一性障害についての啓発活動を行う。
                 「3年B組金八先生」第6シリーズへの協力や、NHK教育放送「にんげんゆうゆう」
                 への出演など、性と人権について、教育現場やメディアを通じてアピールを行っている。
  URL            http://www2s.biglobe.ne.jp/~krtry/index2.html
  メール         ftmjapan@mve.biglobe.ne.jp
  主な著書       女から男になったワタシ(青弓社 1996年)、
                 トランスジェンダーの時代(十月舎 2000年)など多数
  コメント         <大海に注ぐ流れ>
この春、ある女性議員の集いに招かれて性同一性障害についてトークをした。参加されていたのは様々な市議会・区議会の方々だったが、初めて聞いたという方は意外と少なく、「実は地元の性同一性障害の人達から相談を受けていて」という方がほとんどであった。そしてその中に、小金井市議の方もいらしたのである。裁判所だの国会での立法だのということにばかり目を向けていた私だったが、「こういう議員さん達は偏見もなく、地域の人のためにやって下さるものなんだなあ」と新鮮な気分になったことを覚えている。そしてとうとう今回そういった方々のご尽力が、大きな第一歩となって実を結んだ。ありがたいことである。このような流れがいくつもいくつも注ぎ込んでいけば、我々の海路も開けていくに違いないのだ。 


公開シンポジウム
「学術の世界におけるセクシュアルハラスメント--加害と被害--」

日時:2002年12月24日(火)13:00〜17:00

場所:日本学術会議大講堂
主催:日本学術会議「ジェンダー問題の多角的検討」特別委員会

趣旨:セクシュアル・ハラスメントの問題は、最近になってさまざまな大学・ 研究機関・学協会で表面化しており、日本の学術研究に大きな影響をおよ ぼしていることがわかってきた。そこで学術の世界におけるセクシュアル・ ハラスメントに焦点をあて、学問の世界に特有な状況のもとでおこる加害と 被害の構造を認識し、より良い学術研究体制を構築するための政策提言へ むけた議論を行う。

開会の辞:池内了幹事(名古屋大学教授)
司会:原ひろ子
あいさつ:日本学術会議 運営審議会委員

講演者:

1。博士号取得者の被害実態について (25分+5分) 加藤万里子(慶応義塾大学助教授、ジェンダー特委WG委員、天文研連幹事)

2。大学の法的責任 --教育研究環境配慮義務との関連で(25分+5分) 松本克美(立命館大学教授)

3。キャンパス・セクシュアル・ハラスメントの解決にむけて(25分+5分) 戒能民江(お茶の水女子大学教授)

4。文科省(私立大学担当)

5。国立大学等におけるセクシュアル・ハラスメント防止等について(30分+質疑) 文科省官房人事課審査班主査 出澤 忠

討論:

閉会の辞 蓮見音彦委員長

問い合わせ先: 加藤万里子 mariko@educ.cc.keio.ac.jp